じぇねくそぼーど

所詮は落書き。

個人的に使ってる教科書・問題集まとめ

当方が化学・生物学を勉強する際に使ってた教科書を適当に紹介しようかと思いまスゥゥゥ... 

(注: 当方は基本的に原著で読んでいますが、原著と邦訳版ではそんなに差はないと思います)

1. 有機化学

  • ウォーレン有機化学

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    有機化学といえば王道の教科書がコイツな感じがします。まず反応機構に関する記述が半端なく詳しいです。たぶん学部レベルの有機化学よりも広範囲をカバーしてて、尚且つ反応機構に対する理由などが丁寧に解説されていて非常にわかりやすいです。個人的な評価ポイントはフロンティア軌道論の丁寧さと、(学部レベルでは)マイナーな元素(S, P, Si, etc.)+比較的新しい反応(光延反応など)のの詳細な説明あたりかなと。
    有機化学をガッツリやりたい人、そっち系の大学院に進学したい人にバッチリの一冊だと思います。薬学系とかの暗記中心の有機化学を勉強したい人にはオーバーワークな気がします()
    練習問題の量は多すぎず少なすぎず、という感じ。どれも手応えのある問題なのでとても役に立つと思います。

  • 有機化学演習 -基本から大学院入試まで-

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    たぶん学部レベルの有機化学の問題集だとコイツが王道なんじゃないかなぁと思ったりします。基本問題から難しい問題まで網羅していて, とても進めやすい感じです。(小学生並みの感想)(ぶっちゃけあまりやり込んでないとか言えない)

  • 大学院を目指す人のための有機化学演習

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    数ヶ月前にどこかのYouTube動画で見つけて、即購入した一冊でございます。問題数的にはそんなに多いって訳でもないですが、守備範囲が結構広いです。評価ポイントはマニアックな反応(教科書に載ってないような反応)を扱っているという点だと思います。時たま見る訳のわからないReagentとかの知識はここで得ることができたと思っています。

2. 細胞・分子生物学

  • Essential細胞生物学

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The 王道中の王道ですね。1年生の前期からずっとお世話になっています。分子生物学をこれから始める!って方にも、基本にまた立ち戻りたい!って方にもオススメの一冊です。だいたい必要な基本事項はここに全部書いてあります。これをマスターすれば恐らく学部レベルの分子生物学は8~9割方マスターしたも同然です。

  • Molecular Biology of the Cell

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王道中の王道中の王道です。Essentialの親版。通読するための読み物というよりは、細胞生物学の中の一つの現象をもっと掘り下げて調べたい!って時に使う辞書的な使い方がメジャーかなと思います。

個人的には「生物学的な目線での説明」をこっちで調べて、「タンパクの構造+化学的な目線での説明」を後述のヴォートとかで調べるという使い方をしています。

3. 生化学

  • ヴォート基礎生化学

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1年の後期に生化学という学問に興味を持って、はじめて触れた教科書です。一言で表すとディテールが半端ないです。タンパクの構造とか反応機構の解説がヤバい、ヤバい(語彙力)。

生化学の各トピックにおいて特に化学的(有機化学+物理化学)な側面にフォーカスした、丁寧な解説が特徴だと思います。読み物としても使えるし、辞書としても使える良書だと考えております。ただ「これから生化学を始める!」という人には結構難しい本じゃないかなあと思います。(化学の知識や概念の理解は絶対必要, あとは基本的な生物学の理解もあると読みやすいと思います)

ちなみに章末問題のクオリティは全体的に高めです(後述のリッピンコットより難しい問題もある)。が、そこそこの頻度でクソなぞなぞbotみたいな問題が載ってるのでそこはご注意。

  • リッピンコット イラストレイテッド生化学 

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アメリカの医師免許試験(USMLE)対策用の教科書ですが、試験対策だけでなく普通に生化学を学習するのにも非常に役に立つ一冊だと思います。まず図が非常にわかりやすい。無駄を一切省いて、コンセプトで何が一番重要かをハイライトした解説も充実しております。医療系学生向けにも臨床的に重要な事柄も丁寧に説明していて、尚且つ基本事項もハイライトしています。

あと章末問題のクオリティが圧倒的に高い。どれも臨床系の問題に見えますが、基本的なコンセプトをちゃんと理解していないと解けない問題がほとんどです。ただの暗記を理解へと昇華させて、本当の生化学力をつけるには最高の教科書だと思います。

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Essentialの章末問題とかを除くと、分子生物学の問題集って結構出回ってないので恐らくバイオ系の大学院を考えてる方でこれを使っている人は多いのかなと思います。分子生物学と生化学の広い範囲にわたった問題が収録されています。おまけ程度に英語の問題もあったりします。

問題のレベル的にも結構範囲が広く、基本問題から難しめの知識を聞いてくる問題まで載っています。これをやってみれば間違いなく生化学に対する理解が定着してくるのではないかと思います。生化学を習いたてだとちょっと苦労する問題が多いと思うので、一通り勉強した後にこれを解き始めると使いやすくなると思います。

 

4. 薬理学

  • Katzung and Trevor's Pharmacology Examination and Board Review

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「これから薬理学をはじめる!」という人にオススメしたい本です。ほどよい情報量で、大事なお薬が全部載ってます。知らなければいけない作用機序の解説も充実しています。ショボいページがマジで一つもない

かなり完成された薬理学のテキストだと思います。

 

  • Basic and Clinical Pharmacology

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前述のBoard Reviewの親本。つまり薬理学のCellって感じ。

個人的な評価ポイントとしては総論(薬物動態etc)と作用機序の記述が非常に丁寧なことです。ただ、説明が非常に周りくどい部分もそこそこ多いのでマジで混乱することもあります。医療系で要求されるスピーディな薬の暗記とかにはマジのマジで不向きだと思います。Board Reviewの情報が物足りないと思ったらこれで保管するのがベスト。


なお、全部個人の感想なので参考になるかどうかは知らん(投げやり)